皆さん、こんにちは。
僕は、40歳で公務員から転職し、現在ドラッグストアで薬剤師として働いています。
転職して約2ヶ月が経ち、ようやくドラッグストア薬剤師の仕事にも慣れてきました。
今回は、私の経験を基に、ドラッグストア薬剤師の1日の仕事内容を詳しくお伝えします。
病院や調剤薬局とは異なる環境で働くドラッグストア薬剤師。その実態は意外と知られていません。
これから、朝から夜までの業務の流れを通して、ドラッグストア薬剤師の仕事の全貌をお伝えしていきます。
1. 朝の準備:オープン前の重要業務
ドラッグストア薬剤師の1日は、お店のオープン1時間前から始まります。
私の勤務先は午前10時オープンのため、午前9時前には出勤します。
まず行うのは、店舗のシステム立ち上げです。
業務用PCを起動し、レジの準備を行います。「レジ開け」と呼ばれるこの作業は、レジを使用可能な状態にする重要な業務です。
また、金庫内の現金確認や前日の売上入金作業も行います。
さらに、ドリンクケースの水抜きなど、細かな作業も薬剤師の仕事に含まれます。
これらの作業は、店舗の円滑な運営に欠かせません。
朝の大きな仕事の一つが納品作業です。
その日に納品される商品が、オリコン(折りたたみコンテナ)に入れられて大量に届きます。
私の店舗では、繁忙期には40箱以上のオリコンを処理することもあります。
これらの商品を、医薬品、化粧品、日用品などのジャンルごとに仕分け、各商品棚の近くに配置します。
その後、商品を適切な棚に陳列していきます。
この作業で注意すべきは、商品を正確に棚に入れることです。
多用な香りのついた洗剤や似たようなパッケージの商品も多いため、JANコード(バーコード)を確認しながら慎重に作業を進めます。
違う棚に商品を入れてしまうと、商品の値段が変わってしまい、お客様が混乱してしまいます。
レジで商品の値段が違う?となってしまいます。
納品作業は理想的にはオープンまでに終わらせたいところですが、量が多い場合はオープン後も続けることになります。その際は、お客様の邪魔にならないよう注意しながら作業を行います。
2. オープン後の主な業務:レジと商品管理の両立
店舗がオープンすると、私の勤務先では薬剤師がレジに入ることが多くなります。これには重要な理由があります。
第一類医薬品や要指導医薬品、そして濫用の恐れがある医薬品などは、お客様への説明や確認が必要です。
これらの商品がレジを通過すると自動的にアラームが鳴り、薬剤師による説明が必要となります。
そのため、薬剤師があらかじめレジに立っていることで、迅速な対応が可能になるのです。
レジ業務では、商品の打ち間違いを防ぐことや、お客様への適切な案内を心がけています。
お客様とのコミュニケーションが頻繁に発生するため、声を出し続けることになり、慣れるまでは声がかれることもありました。
レジ業務と並行して行うのが、商品の「前出し」作業です。
これは、お客様が商品を購入した後、棚の奥に残った商品を前面に移動させる作業です。お客様が商品を見つけやすくするための重要な業務で、売上向上にも直結します。
3. 休憩時間の過ごし方:スキルアップの秘訣
昼食時間は通常12時前後になります。私の場合、軽食を取りながら、その日にお客様から受けた質問について調べたり、新しい医薬品の情報をチェックしたりしています。
この時間を有効活用することで、午後の業務により良く対応できるようになります。常に新しい知識を吸収する姿勢が、ドラッグストア薬剤師には求められるのです。
4. 午後の業務:多岐にわたる薬剤師の役割
午後も基本的にはレジ業務が中心となりますが、お客様からの医薬品相談にも対応します。症状をお聞きしながら最適な薬を提案するこの時間こそ、薬剤師としての専門性を発揮できる瞬間です。
ドラッグストアの薬剤師に求められるのは、医薬品の知識だけではありません。絆創膏の種類や大きさ、サポーターの選び方、包帯のタイプなど、多岐にわたる商品知識が必要になります。
この幅広い知識を身につけることで、お客様のあらゆるニーズに対応できる薬剤師になれるのです。
5. 閉店後の業務:1日の締めくくり
営業終了後は、レジ締めが主な業務となります。その日の売上を計算し、レジから現金を回収します。また、廃棄物の処理や翌日の営業準備のための商品整理なども行います。
これらの作業は通常30分から1時間ほどで終わり、その後帰宅となります。
7. まとめ:ドラッグストア薬剤師の魅力と課題
ドラッグストア薬剤師の仕事は、医療専門職としての知識を活かしながら、小売業の特性も併せ持つユニークな職種です。お客様と直接関わる機会が多く、健康相談から商品提案まで幅広いサービスを提供できることが大きな魅力です。
一方で、レジ業務や商品管理など、一般的な薬剤師業務とは異なる仕事も多いため、柔軟な対応力が求められます。また、常に新しい商品知識を吸収し続ける必要があるため、継続的な学習も欠かせません。
8. 【転職者向け】公務員薬剤師からドラッグストア薬剤師へ:私の経験から学んだこと
40歳での転職は不安も大きかったですが、ドラッグストア薬剤師という選択は私にとって新たな挑戦となりました。公務員時代とは異なり、より直接的にお客様の健康に貢献できる喜びを感じています。
転職を考えている薬剤師の方々へアドバイスするとすれば、柔軟な姿勢と学ぶ意欲を持ち続けることが重要です。ドラッグストアという環境は、薬剤師としての専門性を活かしながら、小売業のスキルも磨ける貴重な場所です。
新しい環境に飛び込む勇気さえあれば、きっと新たな可能性が開けるはずです。私の経験が、皆さんのキャリア決定の参考になれば幸いです。
以上、ドラッグストア薬剤師の1日と、その魅力についてお伝えしました。薬剤師としての専門性を活かしながら、幅広い知識とスキルを身につけられるこの仕事に、私はやりがいを感じています。皆さんも、新たな挑戦を考えてみてはいかがでしょうか。